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中庭をもつ集合住宅である。
敷地は東京の都内、戦後地方より出てきた人達中心により作られた商店街の片隅にある。
西洋とは違い、だらだらと同じよう風景が続く日本の、いや東京という都市の独特の風景の中の「まち」ではあるが、集まって住むというまちの本質になんら変わりはない。
外壁そして一部内壁も土壁や石灰を使用した左官仕上となっている。木、石、土等素材も含め、出来るだけプリミティブな建物にしたかった。かつてはこのあたりでも戦後しばらく木造、土壁の家は多く残っていた。
それらは取り壊され、新しく建て直されている。この地で育ったせいか、土の道であった以前の街の風景に愛着を感ずる。前述の素材を多様したのはそのせいなのかもしれない。
自然の素材というものに「集まって住む・生活を楽しむ」ということへの欠かすことの出来ない何か「共有感」のようなものを感ずる。
必然、既製品を現場で組み合わせ、混ぜ合わせ、貼り付けるという作り方ではなく、素材を現場で調合、製作する「現場での責任施工」という形になる。
人の手でつくられた痕跡をなるべく排除した性能の保証された建材を選択することは、予想可能な仕上げを保証する。
しかしながら、現場で調合、仕上げていく左官などを使うとそうはいかない。職人の技量、又は天候等によってその仕上げの出来は大きく左右される。現場に行ってみて良くも悪くも予想外の結果になっていてびっくりすることも多々あった。
しかしながらそのことが、建築の特性のひとつであり、特権でもなかろうか。
この最後のとりでに意味を見出し、ムダではないと信じ現場に足を運んだ日々が思い出される。
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